より理解が深まる前がき
日々の生活で生きづらさ、苦しさを感じている人や、うつ病などのメンタル疾患を抱えた人が『日記』をつけることで、ストレスが減少するといった話を1度は耳にしたことありませんか?
この日記は”筆記開示”と呼ばれる心身の健康状態を安定化させるアプローチの1種です。
一般的にはエクスプレッシブ・ライティングと呼ばれています。
筆記開示効果の学術は数多くあり、筆記開示を始めてから数週間で不安感やうつ症状などが穏やかになった、全体的に幸福感が高まったなどの論文が発表されています。
この記事では筆写も毎日行っている筆記開示をおすすめする理由と、より良いやり方について解説しています。
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1.筆記開示とは?
- 現在考えていることを言語化する
- ワーキングメモリの解放し容量確保
- 人間のマルチタスクは3つ程度が限界
- 筆記開示で外部ストレージに保存
筆記開示(筆記開示法)は、今頭の中で考えていることをノートに書き出し、言語化することで思考を整理するテクニックです。後述しますがノートに手書きでする方がメリットは向上します。
筆記開示を行うことによって、脳内の”ワーキングメモリ”と呼ばれる領域に余裕を持たせます。
ワーキングメモリとは、行動に必要な情報を一時的に記憶、処理する領域です。
スマホやパソコンに例えるとRAM(メモリ)と考えたらイメージしやすいかもしれません。
色んなアプリを立ち上げて作業をしていると動作が重たくなりますよね?
あれと全く同じで、人間の頭の中もマルチタスクで作業を進めるには限界があります。当然個人差はありますが、一般的に3つ、多くて5~7つ程度といわれています。
つまり人が同時こなせる作業数は、せいぜい3つ程度が限界という事です。
当然それ以上の作業を行おうとすれば、頭は混乱し最悪フリーズします。
筆記開示では、ワーキングメモリをノートに書き出すことで言語化して一旦脇に置いておきます。
そして新たに使用できるワーキングメモリを確保しようとするわけです。
この言語化する作業は外付けHDDやクラウドに、スマホ、パソコン内のデータを保管しておくことによく似ていますね。モノは違えど考え方はこのような感じです。
2.筆記開示のメリット
筆記開示のメリットは言語化することにあります。
- 認知特性は主に4つに分けられる
- 書くことで効率よくアウトプットできる
- 頭の中の漫然とした不安をクリアにする
- ネガティブ思考の支配から脱出する
人には各々に”認知特性”があります。
認知特性とは、体の感覚器官から得られた情報を理解しようとする特性の事です。理解する特性の得手/不得手には個人差がありますが、主に4つに分けられます。
- 視覚優位型
- 聴覚優位型
- 言語優位型
- 体感覚優位型
ここでは自身がどの認知特性に該当するかは関係ありません。
重要なのは人間の認知(情報のインプット)に、この4つの認知特性が大きく関わっている点です。
これら自身の認知特性を介して脳内のワーキングメモリで無意識に一時的に処理され、行動に反映されます。
逆にいえば、4つの認知特性を使って意識的にアウトプットすれば、ワーキングメモリに空きスペースを設けることが容易になります。
ん……??
効率よくアウトプットできる理由が分かりにくいですよね?
では筆記開示の方法をおさらいして、実際に認知特性に当てはめて考えてみましょう。
◆筆記開示とは?
◆使用される認知機能
ノートに考えていることを書き出すだけで、4つの認知特性のうち3つを使用します。
仮に書き終えた後に自分で音読すれば、聴覚も含まれますね。
こうして認知特性を利用して、効率的に脳内のワーキングメモリをアウトプット(筆記開示)することによって、新たに何かを考え、行動することが可能になります。
つまり漫然とした不安や悩みなどに支配されたワーキングメモリを、筆記開示によってクリアにして、新しい情報を取り入れる準備をしているわけですね。
ネガティブな感情や考えは往々にして脳内で堂々巡りをしています。
一刻でも早く脱出しなければネガティブ思考のスパイラルから抜け出せません。
しかし頭の中が霧がかった状態では、まともな思考で行動をとれるはずがありません。
3.筆記開示のより良いやり方
『考えていることをノートに書き出し言語化する』以外に特段ルールはありませんが、筆者が独自に行っている“PFONノート”をご紹介しようと思います。
手順は以下の通りです。
- STEP1ポジティブな出来事を書く
- STEP2不安と悩みを書く
・箇条書きで記入
- STEP3不安と悩みを分ける
- STEP4不安を悩みに変える
・不安の根源を探る
- STEP5悩みの対策案を必ず書く
・一旦頭から追い出す
このPFONノートは『ポジティブ 不安 OR 悩み』のそれぞれの頭文字を取ってPFONです。
(ピーフォンと呼んでます)
オリジナルなので検索してもヒットしません…
何ともカッコ悪いネーミングセンスですが、筆者はこれを毎日書いてます。
参考までにこんな感じです。
3-1.ポジティブな出来事を書く
筆写の場合はページ半分くらいはポジティブな出来事だけ書いてます。
とにかくその日あった、楽しかった、感謝された、感銘した、感動したことなどを作文形式で書いています。
後で見直したときに、『こんな良い思い出があったな』と記憶をトリップさせたい目的です。
またネガティブなことばかりに気持ちが向かないように、思考を修正する効果も期待できます。
3-2.不安と悩みを書く
漠然と浮かんだ不安と悩みを書き出します。
まずはアウトプットすることに重きをおいてひたすら書きます。
3-3.不安と悩みを分ける
この不安と悩みの選別がPFONノートの良い点の1つです。
ー不安例ー
ー悩み例ー
その理由として不安は”対策できないこと”、悩みは”対策できること”だからです。似ていて頭がごっちゃになっているので、これらを完全に分けて考えます。
過去に起こったこと、これから起こること、人の気持ちなど、いくら考えても答えは見つかりません。
まずは、”考えても分からないことを考えない”をしっかり把握します。
続いて悩みには必ず対処策があります。先の例の上から順に対策案を出すと
このように必ず決めることができます。
決めたことが合っているか間違っているかは、未来のことなので分かりませんが決めることはできます。
一旦選別をすることで、頭の中を整理しやすい状態に整えます。
3-4.不安を悩みに変える
不安は考えても仕方ないと割り切れればいいですが、なかなかそうもいきません。
どうしても気になる人には”不安を悩みに変換”すれば対処できます。
先の例の不安を悩みに変換すると
考えても分からないから明日訊いてみよう
今日できる限りのことをして本番に挑もう
ちゃんと気持ちは伝えられるから言ってみよう
このように次の行動を決めることができるようになります。
漫然とした不安が一番対処が難しく、思考が負のスパイラルに陥りやすくなります。
しかし、ちゃんと行動を決めることができるように悩みへ変換すれば、一旦区切りを打つことができますよね。
3-5.悩みの対策案を必ず書く
最後にして最も重要なポイントです。
ポジティブな出来事は書くだけで良いのですが、不安や悩みは必ず対策案を当日ノートに記載することです。
書くだけでも一定の効果が認められている学術がありますが、誰もが不安や悩みといったネガティブな思考は、できるだけ早めの対処しておきたいと思いますよね?
PFONノートでは、ノートに書いた不安や悩みに対して必ず対処策を書きます。
- 悩み:行動を決める
- 不安:悩みに変換して行動を決める
これら対処策が決して正しいとは限りません。あくまでひとつの案です。
ですが何も対処策を講じないまま放っておけば、いつまで経っても不安や悩みにワーキングメモリは支配され続けます。
一旦書くことでアウトプットし、それに対して対処策を考える。
ここまでできれば気持ちも安定し、床に就くことができそうですね。
就寝前にネガティブな出来事を思い起こすのは筆記開示ではおすすめされていません。しかしきちんと対処策があれば、筆写の場合は時間帯を気にせず1日の終わりの好きな時間に書いています。
あとがき
楽しいことや嬉しいことは、なぜだかすぐに忘れてしまいますよね?
これは過ぎ去った出来事なので、その幸福感は時間が経つにつれて薄れていきます。
一方悩みや不安は、自身の中では過ぎ去っていない感情のため、いつでも容易に蘇ります。
これに区切りをつけるのがPFONノートです。
頭の中では同時作業できる数は限りがあります。
ワーキングメモリをもっと前向きなことへ利用するために、ネガティブな感情で支配された頭の中をクリアにするのが筆記開示です。
ストレスなく生きていけることは絶対にありません。
ただどう対処するのか?は自ら選択できます。
その方法の1つとして、この記事の内容が参考になっていただければ幸いに思います。
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