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『現代』の報連相は必要ない/報連相の本当の意味を知っていますか?

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より理解が深まる前がき

会社員の人が必ずといって良いほど教えられる”報連相”

筆写の過去記事『日本の働き方はなぜ効率が悪いのか?』でも少し触れた内容ですが、実は報連相には賛否両論あります。

例えばあの無印良品では「成果が出ない」と否定的な見解です。
また時代背景に沿わせれば確認、連絡、報告の”確連報(かくれんぼう)”の方が合っているのでは?との考えもあります。

企業と従業員、双方の価値観が重要視される今の時代。
果たして報連相は必要なのでしょうか?

この記事では報連相の生い立ちと、筆者自身が誤解していた報連相の真意について解説しています。

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1.報連相の生い立ち

POINT
  • 証券会社社長、山崎氏によって考案された
  • 社員の声をトップへ届かすための方法
  • ほうれん草を原動力とするポパイが由来
  • 上下・左右関係にこだわらない伝達方法
  • 現代でいう風通しの良い職場を目指した

著者、山崎富治氏の「ほうれんそうが会社を強くする」がベストセラーになり日本に広く報連相が認知されたといわれています。

著者山崎氏は、とある証券会社の社長さん。
自社社員数が1000人を超える規模にまで成長したこととは裏腹に一抹の不安がありました。

「社員が多くなるにつれて、末端社員の声が自分にまで届かない」

「もっと上下関係、左右関係の垣根を超えた腹を割った相談ができないだろうか?」

と、頭を悩ませ発案されたのが報連相です。

「ほうれん草を原動力とするポパイみたく、報連相は会社を元気にするポパイ社員が生まれるはず」

報連相の言葉の意味や由来にはこのような背景があったんですね。
これを知った後に改めて『現代の報連相』意味を振り返ってみてください。

……そうです。

何だか報連相の意味が全く異なることに気が付きましたか?

山崎氏は、社長である自身へ社員の声が届かないのを危惧していました。
そこで上下・左右関係に支配されない社員1人ひとりの意見、思いが伝わるよう報連相を考案したのです。

立場上で上の人間が下の人間の思いを汲み取るために。
また同僚同士で気兼ねなく意見し合える。

そんな風通しの良い職場環境を望んで生まれた報連相です。

2.現代の報連相

POINT
  • 山崎氏考案の報連相はただの伝達ではない
  • 伝達に留まった報連相は問題解決に至らない
  • 現代の報連相は時間を費やす一方

さて現代で利用されている報連相の意味はどうでしょう。

以下のような感じで認識、また教わっていないでしょうか?

報告、連絡、相談をスムーズに行うことによって、上がきちんと問題を把握できる。そこから社内で問題共有し早期問題解決への重要な方法が報連相

この報連相であれば大間違いです。

山崎氏が考案した報連相はただの上司への伝達ルールではありません

問題に対してきちんと解決できるポパイ社員を育成することです。
誰もが問題を自由に提起でき、上司、同僚と分け隔てなく解決できる環境こそが山崎氏の思い描いた報連相です。

現代の報連相はただの伝達事項に留まっているため問題解決に至らず、ただただ伝言ルールに時間が費やされ問題が放置されたままとなってしまっています。

3.誤った報連相の弊害

さて誤認されてしまった報連相により、どんな問題が現在発生しているのでしょうか?

POINT
  • 指示待ち社員の増加
  • 社員の問題解決への意欲低下
  • 上司の業務量増加
  • 問題提起する社員の減少

3-1.指示待ち社員の増加

報連相がただの伝達になっているので、取り敢えず問題があったことを報告しとけば後は指示を仰ぐだけ。こんな風に思う社員(指示待ち社員)が増加します。

3-2.社員の問題解決への意識低下

上からの指示待ち社員が増えることにより、自発的に問題を解決しようと思わなくなります。

でもそりゃそうです。面倒なことには誰も関わりたくないですからね。

3-3.上司の業務量増加

段々と現代の問題が浮彫り化してきました。

上司(中堅)は部下から上がってきた問題に対応しなくてはいけません。当然のことながら上司も自分の業務があります。

報連相が行われるシーンは往々にして異常が発生したときです。
上司はこの異常事態を切り抜ける時間も気力もありません。

3-4.問題提起する社員の減少

これは不祥事問題に直結する弊害です。

現場や担当者ほどその業務を熟知している人はいません。もちろん問題点も改善案も。
しかし問題を提起すれば、やれ費用対効果、報告書作成、改善後のフォローなど色々と言われるご時世です。

そんな環境であれば不便さを感じながらも業務をただただ遂行する人が増えます。

上が現場を理解していない、或いはしている時間がない状態では必然的なことかもしれません。

あとがき

目からウロコの記事であれば嬉しいのですが如何でしたでしょうか?

山崎氏が掲げた報連相。
そして誤った解釈をされた現代の報連相。

きっと山崎氏の思惑通りに実施されている企業さんもあると思います。

しかし筆写は今現在2社経験し、何れも誤った報連相を教わりました。
その内1社は誰もが知る某企業です。

本来の意味を知ったときに感じたことは本当にスッと腑に落ちたことです。
今まで報連相の必要さが分からず大して意識もしていませんでした。

これを知ったとき『だから今まで続いているのか!』と大納得しました。

この記事で報連相の認識を改め実行していただき、また必要さを感じていなかった人の理解へ繋がれば幸いに思います。

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