より理解が深まる前がき
皆さん両立支援制度という言葉を一度は耳にした事はないでしょうか?
この制度の目的は、全国民の仕事と私生活を支援してくれる制度です。
今でいうワークライフバランスの整った環境作りを進めていくにあたり制定されました。
例えば産前・産後のママパパ、子育て、介護、障害者の方々が、これら事情があっても安心して就労する事が出来る支援制度です。
特に昨今の少子高齢化社会に於いては育児と仕事の両立が今後の日本経済を支えていく上で、最も重要視しなければならない問題です。
しかし実態として育児と仕事の両立はかなり困難です。
核家族世帯が進む中、夫婦共働きも今では当たり前になってきました。
私自身も子供を授かってからは両立に苦労し、家族を守るためにと必死に働いた結果、メンタルを患ってしまい、今後の働き方を見直すきっかけになりました。
同じ悩みを抱えておられる方は決して少なくないと感じています。
育児と仕事の両立は2つの仕事を掛け持ちしているのと同じです。
育児は365日24時間営業です。
そんなつらい思いから少しでも前向きになれるように、この記事では活用できる育児における両立支援制度について解説しています。
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育児における両立制度一覧
これから紹介する制度一覧には、義務化された制度から企業の努力義務とされている制度までが含まれています。特に義務化された制度は、従業員が請求すれば企業側は必ず対応が必要になります。
就業規則に記載されていなくても権利として請求できるので是非、参考にしてみてください。
1.育児休業(育休)*
出典:『育児休業特設サイト』(厚生労働省)に基づき文章作成
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/ryouritsu/ikuji/connection.html
一番認知されている両立支援制度の1つではないでしょうか。
子供が生まれた後に長期に渡って休める制度です。
1歳未満の子供1人につき原則2回まで育休取得ができ、保育所に入所できない等の事情があれば最長2歳になるまで延長可能です。
また近年浸透してきた子供が1歳2ヵ月に達すまでの間に両親ともに育休を取得するできる”パパ・ママ育休プラス”があります。特に男性の育児介入をより柔軟、積極的に進めるにあたり2022年に”産後パパ育休”が”パパ休暇”に変わり創設されました。
産後パパ育休は通常の育休とは別に、子供が生まれた8週間以内に最大4週間、或いは2分割して育休を取得できます。
また男女(パパママ)ともに育児休業給付金が受給できるのも大きなメリットです。事業主は従業員から申し出があった場合は拒む事はできません。
2.子の看護休暇*
出典:『【通達】育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の施行について(令和5年5月8日)』(厚生労働省)に基づき以下見出し2~10の文章作成
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/001093101.pdf
小学校就学の始期に達するまでの子「以下、未就学児」の病気やケガ、また予防を図るために必要な措置(予防接種など)が必要な場合に世話を行うための休暇制度です。
該当する子1人につき5日間、2人以上であれば10日間の休みを取得する事が出来ます。また対象となる子が2人以上いる場合には同一の子に10日間の休暇を利用しても問題ありません。
通常年度毎(4月1日~翌年3月31日)にリセットされます。※ただし繰越しは出来ません。
事業主は従業員から申し出があった場合は拒む事はできません。
3.所定労働時間の制限*
働きながら子の養育を行うための時間が確保できるよう、3歳に満たない子の親は所定労働時間を超えて労働させてはいけない制度です。
所定労働時間は事業主が就業規則として設けた内容であり、法定労働時間(8時間)とは異なるものとして扱われます。
つまり7時間40分が所定労働時間だとした場合、所定労働時間の制限を請求すれば7時間40分を超えての業務は事業主はさせてはならないという事です。
仮に労働命令をしたとしても従業員はその命令に従う義務はありません。
4.深夜業務の制限*
深夜に子を保育する者がいなくなる場合に対応するため、未就学児を養育する従業員は合理的理由がある場合午後10時~午前5時までの間に於いて労働させてはならない制度です。
※同居家族やその他の者が保育できる状態である場合は適用されない。
たとえ午後10時~午前5時までの間が所定労働時間であっても事業主は労務をさせてはならない義務があります。
5.所定労働時間の短縮措置(時短勤務)*
3歳に満たない子を養育する従業員は養育に手が掛かる時期であり、とりわけ保育所に子供を預ける場合には送り迎えなど子育ての時間を確保する事が重要であるとして、所定労働時間を短縮できます。
育児における所定労働短縮の措置は原則1日6時間になります。
就業しつつ子を養育する事を容易にするための措置を事業主は講じる義務があります。
6.配置に関する配慮(転勤配慮)*
子の養育を行っている従業員に対して住居の移転を伴う就業場所の変更は、今後の雇用継続を困難にし、仕事と私生活との両立に関する負担を著しく大きく事から、就労場所を配慮する事を義務づけられます。
例えばある地方の事業所から別の事業所への配置転換など、場所的に離れた就業の場所への配置の変更には配慮する必要があります。
また当該制度の子とは”小学校就学の始期に達するまで”といった限定が付いていない以上、小学生や中学生の子も含まれるのは当然の事と考えます。
7.未就学児を養育する従業員に関する措置
未就学児の養育について、親自身がかなりの時間と労力を費やす必要のある時期であると考えられる事から、子を養育する従業員の雇用継続のために、法に定める制度又は措置に準じて必要な措置を講ずるよう事業主に努力義務を課せられます。
行事には両親学級、遠足等様々なものが想定され、各企業の実情に応じた整備が望ましい。
8.再雇用特別措置等
妊娠、出産もしくは育児を理由として退職した者「以下、育児等退職者」が、それらの理由がなくなったときに再び雇用されることを希望する場合、同一企業において再雇用を講じる制度です。
かつての経験を活かすことができ、育児等退職者にとっても企業にとっても好ましいことから、事業主は再雇用特別措置、その他これに準ずる措置を実施するように努めなければなりません。
9.職業家庭両立推進者
各企業において仕事と家庭の両立のための取組に係る実施体制を明確化することが必要であることから、事業主に対しそれらを担当する者(職業家庭両立推進者)を選任する努力義務を課されます。
企業における職業生活と家庭生活との両立支援の取組に係る実施体制を整備させる必要があります。
10.国等による援助
子の養育に関して、義務化された制度、他事業主に対する努力義務を含めた制度のみによっては十分とはいえません。
国及び地方公共団体による事業主は、子の養育を行う労働者、育児等退職者、その他に対する強力な援助が必要と考えられます。
そのため対象労働者の仕事と家庭生活との両立を図るための環境整備の事業を体系的・総合的に構築することが重要であると考え、国又は地方公共団体が支援措置を行う。
子育てサポート企業のシンボル”くるみんマーク”
くるみんマークとは”子育てサポート企業”として、厚生労働大臣の認定を受けた証です。
一定の基準を満たした企業は申請を行うことによって”子育てサポート企業”として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受ける事ができます。
もし育児と仕事の両立に苦しみ転職を検討されている方がおられましたら、福利厚生面でくるみんマークを大々的に掲げている企業を探すというのも1つの手段かもしれませんね。
出典:『くるみんマーク・プラチナくるみんマーク・トライくるみんマークについて』(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/kurumin/index.html
あとがき
以上が育児において活用できる両立支援制度となります。
知っている制度から知らない制度まであったのではないでしょうか?
両立支援制度は今後更に手厚く改正されるよう段階的な施行が予定されています。
ただこれら制度を知っていたとしても、いざ会社側との交渉となると二の足を踏む事になると思います。ただ努力義務を除いては従業員が請求できる権利なので、働く全ての人がこういった請求を抵抗なく出来るよう、企業として実施体制を明確化する事が重要だと考えます。
いつか子を持つ親がキャリアに何の支障もなく働け、子の成長を両親で見守れるような時代が訪れる事を切に願っています。
また本記事で、現状のつらい思いから抜け出せる糸口がみつけられたら幸いに思います。
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