より理解が深まる前がき
2024年10月31日。日本中がハロウィンで賑わっている頃、筆者はハロウィンではない別のことで喜びを噛みしめていました。
それは何か…
某企業からの「採用通知」です。
筆者の場合は精神障害者2級を所持しており障害者雇用枠での採用ですが、勤務形態は正社員、ボーナス年2回、福利厚生充実、在宅ワーク可の好条件。某企業の特例子会社への採用が決まり、現在絶賛就労中です。
この記事では、10ヵ月間の離職期間を経て倍率8倍の求人を掴み取るために行った対策を解説しています。
再就職を目指す人、これから社会へ羽ばたく新卒者の人々への参考になれば幸いです。
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ライバルと差をつけるための5つの対策
簡単に筆者の紹介をしますと、御年40。最終学歴高卒。これといって就職に有利な資格や学歴があるわけでもなく、精神障害者2級と認定を受けている中年男です。
筆者についてご興味のある人は以下ブログ、またはプロフィール「About kirabito」をご覧いただけたら幸いです。
こんな中年おじさんが当たり前の就職活動をした所で希望する企業に入社できるでしょうか?
答えは「限りなく無理に等しい」と思います。
幾ばくかの可能性はあれど、正攻法ではかなり難しいでしょう。
しかし客観的に今の世の中の状況、自身の学歴、職歴、スキルなどを冷静に考えることができれば、就職、再就職が難しいのは火を見るよりも明らかです。
そこで自分が納得ができる企業へ再就職を果たすべく、以下の5つの対策を行いました。
- 支援機関と連携して自身が心身共に安定して長く働ける条件を模索
- 企業説明会への積極的参加
- 希望する企業の徹底リサーチ
- 企業に役立つスキルの洗い出し
- 自分アピール文書で企業見学・体験でPR
上記5つの対策のうち、2から4番は順不同です。ご自身に合った順番で進めてください。
この記事ではこの順番で解説を進めていきます。
1.支援機関と連携して自身が心身共に安定して長く働ける条件を模索
1番重要かつ1番時間がかかります。
まずは兎にも角にも「己を知ること」です。
これは以下のような意味合いです。
- 自分はどんな人間か?
- 一人作業かチームワークでの作業か?
- コツコツ派?マルチタスク派?
- 自身にとって負担にならない環境とは?
- 休日はどう過ごしたいか?
できれば自分に合った職場であってほしいものです。
しかし現実をよくご存じの皆さんはきっとこう思いますよね。
「こんな希望を挙げても全部叶うわけねーじゃん!」
それに対しての答えは「はい。その通りです。」
ここでは希望を挙げているわけではありません。
自身の特性に着目して洗い出しが必要です。
よく1番はじめに「スキルの洗い出し」が挙げられていますがこれは大間違いです。
スキルベースで職探しをすれば、仕事をする上で最も重要な「自分の気持ち」が置き去りなります。
どんなに給与がよくても、
どんなに待遇がよくても、
自分の気持ちと裏腹の仕事であれば、どこかで心身の不調、達成感のなさ、評価への不満などと、職場が地獄に早変わりです。
病気、障がいを抱える人には「病識」という概念が存在します。
文字通り自身の病気や障害に対しての知識をしっかり把握するという意味です。
医学的な知識を深めるというわけではなく、症状が起こった場合の対処法、発作が起こる環境、症状が起こる前のサインなどの知識です。
こういった「己の限界を知る」ことがもっとも重要です。
その限度を超えた場合、最悪のケースだと死が隣合わせに存在するからです。
「己を知ること」で「己の限界を知る」
これが1番最初に、1番重要な、1番難しい対策となります。
ただ自身を客観視するのは非常に難しいため、支援機関と連携する事をお薦めします。
- ハローワーク
- 地域障害者職業センター
- 就労支援事業所
- 転職サイトのエージェント
基本的に地域支援機関を頼るのがベターだと思います。
費用は掛からない上に地域に密着しているので、そのまま就職までサポートしてもらえたり、就職後もサポートを受けられたりします。
この対策でしっかり自身を分析して、分析した結果に基づいて職探しをすることが、その後長く心身ともに健康に働け、充実したライフワークを送ることができる大切なステップです。
2.企業説明会への積極的参加
自分分析がしっかり把握できたら、次は自身の条件に則った企業探しです。
闇雲に探すのではなく、対策1で練り上げた条件を極力満たせる企業探しです。
ハローワークや求人サイトから探すのも良いですが、それだけでは不十分です。
今後長い人生の大半をともにする企業探しです。知りたいのは紙面に書いてある情報ではなく、企業の裏も表も含めた内部の情報ではないでしょうか?
その取っ掛かりとしてハローワーク主催などで行われる企業説明会は非常に有益な情報を得ることができます。
特に説明が一通り終わった後にある質問タイムです。
ここで自身が知りたいこと、説明されていない細かなこと、職場の雰囲気など、何でも自由に質問できる「ゴールデンタイム」です。
また質問することで企業側に就労意欲と顔を売る機会でもあります。
企業の全てを把握することは現実的ではありませんが、少なくとも知っておきたい重要なことは、やはり対面で確認するのが最適です。
しかしどうしても質問することができない人もいると思います。その場合は主催者経由で後日確認してみるのもいいでしょう。
でも忘れないでほしいことは、
「就職は今後の人生を大きく左右する一大イベント」
ということです。
人生の岐路に立って大きな選択をしなければならない状態で「質問する勇気がない」のは、非常に損をしてしまいます。
3.希望する企業の徹底リサーチ
企業の徹底リサーチで重点を置くべきことは、やはり対策1の内容「自身が働ける環境かどうか?」です。
というのも求人票から得られた情報や、企業説明会などから得られた情報で、就職の本分が霞んでしまいがちになるからです。
筆者の場合ですと、「障害者雇用枠で働くのが今後長い目で見た場合に最適」ということでした。
ただ障害者雇用枠の求人は一般求人に比べて圧倒的に少なく、また給与面でも低い水準にあります。また非正規の場合が殆どです。
それら事実を受けて、一般も含めた企業説明会などに参加していると欲が出てきました。
- 給与も良いし一般でもいけるんじゃないだろうか?
- ここの会社は障害者雇用実績があるから大丈夫そう
- 始業時間が早いこと以外は大体良いんだけどな…
こんな感じで情報が集まれば集まるほど選択肢が増え、欲も自ずと増えてきます。
そんな中で「今後心身ともに安定して長く働けるかどうか?」という大事な基本が、すっぽりと頭から抜け落ちてしまっていました。
それを気付かせてくれたのが、職業センターのカウンセラーさんです。
カウンセラーさんが「当初の条件とは違っている部分があるけど大丈夫?」との一言で目が覚めました。
自分のことになると、どうしても人は盲目になります。こういった意味でも、やはり支援機関、支援員と連携をしていおいた方がメリットがあります。
それ以降は徹底して職場の環境、社員の口コミ、SNS、代表者の理念、理念の根拠など徹底的に調べ尽くしました。
後日談になりますが、入社後に代表取締役と直接お話をする機会がありました。
その際に筆者が代表に描いていたイメージと実際のイメージとの相違は殆どありませんでした。
「こんな思考をする人ならきっとフランクな感じだろう」
「たぶん変わり者だな」
「趣味の話が合いそうだな」
これらが入社前のイメージとピタリと一致した人でした。
会社HPだけに留まらず、代表のインタビュー記事を片っ端から読み漁り、方針を打ち立てた背景の思いなどを知り、
「この人の下でなら同じ考えの部下が育ち、その考えは脈々と受け継がれるだろう」
こう信じて、入社して確信にいたりました。
仕事をする上でミスや失敗、合う人/合わない人など、嫌な思いをすることは必ずあります。
それは今まで生きてきて既に証明されているはずです。
ただそんな嫌な思いをする頻度、フォロー体制や教育体制、学べる機会、チャレンジする機会があるかどうかで会社に対するイメージは全く異なってきます。
「人間関係が良い職場」や「叱られない職場」をリサーチの基準にするのではなく、「仮にそうなっても働き続けられる職場であるか?」に焦点を当ててリサーチするのが、入社後のギャップが少なく、長く働ける職場になります。
こう考えると、思いのほか「会社に求める自身の真の要求事項は案外少ない」ものです。
例えば筆者の職場では各拠点に必ず相談員が配置されています。
馬の合わない人の言葉が気になる…
業務依頼が一本化されておらず、誰の業務から進めれば良いか分からない…
プライベートで嫌なことがあった…
こんな職場あるあるを全てを吐き出せる相談員さんがおられるので、何かあると直ぐに相談できる安心感があります。
相談するかしないかは別として、窓口が開かれているだけで安心できる環境がそこにあります。
これが筆者の企業絞り込みの際の決定打になりました。
4.企業に役立つスキルの洗い出し
企業を徹底的にリサーチできたらスキルの洗い出しです。
ここでいう「スキルの洗い出し」とは「その企業にとって魅力的なスキルの洗い出し」という意味です。
何も新たに資格取得をしたり、更に知識を深めるわけではありません。できることなら、することに越したことはありませんが、まずは既に持っているスキルを多方面から見直すことです。
社会人経験が長い人ほど、今自身が持っているスキルを別の角度から見てみたら、実は必要な要素は揃っているかもしれません。
筆者は20年以上製造業で働いてきましたが再就職先は事務職です。
製造業から事務職への転職は一見畑違いのようですが、事務職に通じるスキルを持ち合わせていました。
- 品質を安定させるためにグラフ化が得意だった
- エクセルの関数を使って業務を効率化をしていた
- まとめ、プレゼン資料作成で評価をされていた
事務職といったら一般的には経理や総務のような業務を想像しがちですが、データ入力、集計、抽出などといった業務も事務職です。
事前に念入りに企業調査をしていたお陰で、希望する企業がどのような事務員を欲しがっているのかがハッキリと分かっていました。
そこに自身のスキルを差し出すと、企業側からすれば「ちょうど欲しい人材」となるわけです。
勤怠表や給与計算はしたことがありませんでしたが、例えそのような業務であってもやれる自信はありました。
これはほんの一例ですが、求人票などから得られる「求めるスキル」はかなり広義で捉えています。
もっとニッチなスキルを会社側は求めていて、そこにピタリと当てはまるような経験を持ち合わせていれば、きっと前職の業種を問わず魅力的な人材に映ります。
スキルの洗い出しとは「スキルの多様性の追求」に近いです。
そのために徹底的なリサーチが必要になります。
5.自分アピール文書で企業見学・体験でPR
少し話は逸れますが、面接で話す時間は大体どのくらいでしょうか?
概ね10分~15分程度です。面接が2回あればトータルで30分程度です。
もちろん一次面接をパスできなければ二次面接へと進むことはできません。
では一次面接の15分程度で自分の魅力を伝えることができるでしょうか?
絶対に不可能です。
面接は企業側から一方的に質問をされる時間が圧倒的に多いです。逆質問の時間なんかは全体の1割程度に過ぎません。
ではどうやって自身を売り込むのか?
それは事前に企業見学や企業体験に参加して、そこでアピールすればいいんです。
企業見学は概ね30分~1時間程度は確保されています。企業体験に関しては数日単位で時間が確保できます。
その時間を逃さない手はありません。
面接よりも遥かにPRができる時間です。
口頭でPRをしたい所ですが、忙しい時間を割いて対応してもらっているので筆者は文書が得策と考えています。
見学・体験中は少し口を挟む程度に留めておいて、終了間際に徹底的にリサーチした企業の「欲しい人材像に自分は当てはまってますPR文書」を最後に渡します。
「お時間があるときに読んでいただければ幸いです」と言葉を添えて。
文書であれば仮に対応した社員が担当部署の職員ではなくても、希望する部署の上長やお偉いさんに読んでもらえる可能性が非常に高いです。
口頭と違って文書が良いのは、伝えたい思いが劣化しないところにあります。
せっかくの熱いPRを「〇〇みたいな感じで言ってました」と、うろ覚えで伝えられては元も子もありません。
文書であれば確実に届く保証はないですが、少なくとも熱意は伝わるはずです。
筆者の感覚ですが、そんな文書を持って来るような人材が居るとしたら、なにかしらインパクトは与えられると考えています。
自身の熱意や役立つスキルを知ってもらった上での面接だと、企業側もある程度人物像を描いて面接をするので、典型的な面接とは少し異なってくるはずです。
思う存分に自分PR文書を作成するだけで、ライバル達とは一つ頭が出た候補者へなれるチャンスです。
あとがき
さて如何でしたでしょうか?
第一に自身の特性を知ること。
第二に企業が求める人材を理解すること。
第三にPRする時間を作ること。
です。
この対策をしっかりとしたお陰で、筆者は倍率8倍の求人を掴み取ることができました。
入社後も思い描いていた通りに近いワークライフを送れています。
人生の半分をともにする仕事です。
一度歩みを止めてじっくりと考える時間を作ったとしても、長い人生ではほんの一瞬にすぎません。
筆者は常々思っていますが
「体力を削っても、心を削ってする仕事なんて続かない」
もし、まさに今人生の岐路に佇んでいる読者の方がおられましたら、この言葉を胸に留めておいていただければ幸いに思います。
そして新たに幸せなワークライフが送れることを願っております。
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